独学でプログラミングを学んでいると、どこで躓いているのか分からないという状況に出くわすことが多いと思います。
勉強を始めたばかりだと、上手くコードを書いているつもりなのに何故かエラーという状況に出くわします。初歩的なところだと文字コードの指定間違い、配列間違い…、など、予め知識があれば防げるエラーがあったりします。
つまり、IT全般の知識があれば解決の糸口が見つかる場合があります。
そこで、ITリテラシーを向上させてプログラミング学習を効率的に行う目標として「ITパスポート」の取得がおすすめです。また、国家試験なので取得したら履歴書にも書けるのでおすすめです。
ここでは「ITパスポート」の概要について解説しています。
この記事の対象
ITパスポートとは
ITパスポートとは「情報処理の促進に関する法律第29条第1項の規定に基づき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験の一区分である国家試験」です。
分かりやすく言うと、ITを使用する全ての人を対象にされている最低限知っておかなければならない知識をはかる試験になります。
指標にするメリット
ITパスポートを指標にするメリットは3つあります。
- ほぼ毎月行っている ⇒ 社会人にはありがたい
- 国家試験 ⇒ 履歴書に書ける
- 試験範囲が絶妙 ⇒ 技術的なことばかり問われるわけではないのがGOOD
ITを利用する全ての人が対象なので、受験までのハードルが低いです。ほぼ毎月行っているので、スケジュールを調整しやすいです。
また、国家試験なので取得すれば履歴書に書けるので、履歴書に書くものが少ない方におすすめです。
試験範囲が「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」に分かれており、ITリテラシーを技術的な視点だけ向上させるのではなく、経営や戦略的な視点も学べる点が良いです。
試験範囲 ⇒ 毎年、改訂されている
ITパスポートはITの基本的な知識を問われる試験です。ITの進歩は他分野に比べると速度が著しく速いです。
その結果、ほぼ毎年、改訂されています。勉強を始める前に最新版の出題範囲・シラバスは必ずサイトでチェックする必要があります。
そうは言っても大きく試験範囲は変わっていません。本質的なことを理解することが目的なのであまり心配する必要はありません。
試験区分
試験範囲は大きく3つに分かれています。大分類、中分類、項目に分けられています。
ストラテジ系(およそ35%出題)では「企業と法務」「経営戦略」「システム戦略」
マネジメント系(およそ20%出題)では「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」
テクノロジ系(およそ45%出題)では「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」
と大分類されています。
中分類と項目を加えてまとめると以下の通りです。
ストラテジ系
企業と法務
1.企業活動 | 経営・組織論、業務分析・データ利活用、会計・財務 |
2.法務 | 知的財産権、セキュリティ関連法規、労働関連・取引関連法規、その他の法律・ガイドライン・技術者倫理、標準化関連 |
経営戦略
3.経営戦略マネジメント | 経営戦略手法、マーケティング、ビジネス戦略と目標・評価、経営管理システム |
4.技術戦略マネジメント | 技術開発戦略の立案・技術開発計画 |
5.ビジネスインダストリ | ビジネスシステム、エンジニアリングシステム、e-ビジネス、IoTシステム・組込みシステム |
システム戦略
6.システム戦略 | 情報システム戦略、業務プロセス、ソリューションビジネス、システム活用促進・評価 |
7.システム企画 | システム化計画、要件定義、調達計画・実施 |
マネジメント系
開発技術
8.システム開発技術 | システム開発技術 |
9.ソフトウェア開発管理技術 | 開発プロセス・手法 |
プロジェクトマネジメント
10.プロジェクトマネジメント | プロジェクト憲章、プロジェクトマネージャ、リスクの対応策 |
サービスマネジメント
11.サービスマネジメント | サービスマネジメント、サービスマネジメントシステム、ファシリティマネジメント |
12.システム監査 | システム監査、内部統制 |
テクノロジ系
基礎理論
13.基礎理論 | 離散数学、応用数学、情報に関する理論 |
14.アルゴリズムとプログラミング | データ構造、アルゴリズム、プログラミング・プログラム言語、その他の言語 |
コンピュータシステム
15.コンピュータ構成要素 | プロセッサ、メモリ、入出力デバイス |
16.システム構成要素 | システムの構成、システムの評価指標 |
17.ソフトウェア | オペレーティングシステム、ファイルシステム、オフィスツール、オープンソースソフトウェア |
18.ハードウェア | ハードウェア(コンピュータ・入出力装置) |
技術要素
19.ヒューマンインタフェース | ヒューマンインタフェース技術、インタフェース設計 |
20.マルチメディア | マルチメディア技術、マルチメディア応用 |
21.データベース | データベース方式、データベース設計、データ操作、トランザクション処理 |
22.ネットワーク | ネットワーク方式、通信プロトコル、ネットワーク応用 |
23.セキュリティ | 情報セキュリティ、情報セキュリティ管理、情報セキュリティ対策・情報セキュリティ実装技術 |
勉強方法 ⇒ お金をかけずに対策可能
- ITパスポート試験のシラバスの用語例にざっと目を通す
- ITパスポート試験ドットコムで過去問題を解く
- 分からない用語・概念はその都度ググる
最終的な勉強方法としては「ITパスポート試験ドットコム」の過去問道場で問題をひたすら解くのがおすすめです(当然、間違えたら解説を熟読する必要があります)。アカウントを作成するだけで無料で一問一答式で問題を解くことができます。
はじめにシラバスで範囲と用語例にざっと目を通しておきます。どんな知識が求められるのか把握します。次に過去問道場で問題を解いていきます。その際、分からない用語や概念が出てきたら都度調べます。ある程度勉強したら再びシラバスの用語例を見て、パッと意味や概念が出てくるかチェック。
あとは繰り返しです。
シラバスがほぼ毎年改訂されているので書籍での勉強をあまりおすすめしませんが、書籍で体系的に学びたい方は以下がおすすめです。
図が豊富で用語の説明が分かりやすいです。問題演習というよりは知識のインプットに最適です。演習をするならやはり「ITパスポート試験ドットコム」がおすすめです。
本サイトで解説している内容
各リンク先からご参照下さい。