ここでは、「基本情報」における会計・財務の問題で頻出の損益分岐点の求め方について例題を基に解説しています。
この記事の対象
例題
以下は、ある企業の損益計算書になります。損益分岐点は何百万円になるか。
単位は百万円です。
項目 | 内訳 | 金額 |
売上高 | 800 | |
売上原価 | 変動費 200 固定費 200 | 400 |
売上総利益 | 400 | |
販売費及び一般管理費 | 変動費 50 固定費 300 | 350 |
税引前利益 | 50 |
解説
はじめに、損益分岐点の公式は以下になります。
損益分岐点 = 固定費÷(1-変動費率)
注意点は変動費ではなく「変動費率」です。
問題を解く流れは以下の通りです。
- 固定費の算出
- 変動費の算出
- 変動費率の算出
- 損益分岐点の公式に代入
1.固定費は表より
固定費=200+300=500
2.次に変動費は表より
変動費=200+50=250
3.変動費率は売上高に占める変動費の割合を示すので
変動費率=250÷800≒0.31
4.1~3で求めた値を基に損益分岐点の公式に代入します。
損益分岐点=500÷(1-0.31)≒725
よって、725百万円になります。
どうしても「会計・財務」の問題が苦手な方の対策
「基本情報技術者試験ドットコム」などで問題を解く際、計算問題だけをひたすら解いていても本質的なことを理解するのに時間がかかってしまい「会計・財務」の問題に苦手意識がついてしまう場合があります。
対策としては
- 都度、分からない用語を調べる
- 書籍でざっと体系的に学ぶ
今回だったら、そもそも「損益分岐点って?」方は損益分岐点の意味を調べる必要があります。
以下、SMBC日興証券のサイトをご参照下さい。分かりやすく解説されています。
体系的にストラテジ系の「会計・財務」を学びたい方
ストラテジ系「会計・財務」の問題を「基本情報技術者試験ドットコム」などで対策しているだけの場合は、本質的に「会計・財務」の知識を深めることが難しいです。
都度、用語を調べて対策するというよりも一度、ざっと書籍で体系的に学ぶのがおすすめです。
体系的に学ぶのが良いのは、シラバスの目標からも分かります。
売上と利益の関係,企業会計の手順,財務諸表の基本的な見方など理解し,担当する事項に適用する。
基本情報技術者試験(レベル2)シラバスVer.7.1
また、体系的に理解すると基本情報技術者試験の対策だけではなく社会人として最低抑えておく必要がある知識も深められておすすめです。
以下の書籍がおすすめです。
「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」は用語の説明や実際の企業の決算書の読み方を分かりやすい図で解説されていますので理解しやすいです。
加えて著者の「大手町のランダムウォーカー」さんはTwitterで会計のクイズなども発信しているので毎日の習慣としてチェックすることで「会計・財務」への苦手を克服する一歩になると思います。